上野毛ハウス

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上野毛駅にANDOが降り立つ(その1)】上野毛ハウスの最寄の駅は、その名の通り東急大井町線上野毛」駅である。上野毛駅はとても小規模な駅であったためにバリアフリーに対応することができず、新しく駅舎をつくることになったのである。その設計は副都心線渋谷駅を設計した安藤忠雄氏である。

上野毛駅にANDOが降り立つ(その2)】その新駅舎プロジェクトは、同駅の複々線化に伴う路線拡張工事及びバリアフリー化を含む機能拡充計画となっており、現在は、地上部の新駅舎に約120mの長細い大屋根を構築しようとしている。完成すると上野毛通りを挟んで道路ごと覆われるかたちになる。

上野毛駅にANDOが降り立つ(その3)】また、計画ではプラットフォームの屋根を兼ねた人工地盤を設け、駅舎や駐輪場の周囲に植栽を施し、植栽は雨水を活用した工法を採用する予定だ。外壁には昼間の自然光を取り込めるようにカーテンウォールを設置するなど、省エネのANDO建築となる予定だ。

【隣にTOOHUUが現れた(その1)】上野毛駅は環状八号線に近いところにある。環八は都内でも交通量を誇り、都心の流通をささえる道路となっている。上野毛駅前の交差点を右折し、まっすぐ北上していく。オシャレなお店があるようなところではない。このエリアは、高級外国車の専門販売店が多い。

【隣にTOOHUUが現れた(その2)】右手に多摩美術大学が見えてくる。通称多摩美は、校風は自由な発想と専門技能の重視しており、初代校長はグラフィックデザイナーの杉浦非水であることからデザインに対し先駆的な試みや教育が行われている。卒業生の多くはデザインの現場や実務に携わっている。

【隣にTOOHUUが現れた(その3)】そんなこんなで周囲を見渡しながら、歩いていくと突如、真っ白な真四角な物体が目についた。周囲にはハウスメーカーの装飾的な住宅が多いところで、真っ白な真四角はまさしく豆腐のような親しみやすさを感じる。もし、窓がなければ住居とは判断できないだろう。

【3 つキューブが繋がる19の間取り】上野毛ハウスは、3つのキューブがずれながら繋がっている。そのずれによって生まれる歪の空間から空を見上げると地中海に面する旧市街地に迷い込んだような感じだ。また、ひとつとして同じ間取りはない。19の部屋に19の間取りがあり、それぞれに個性がある。

【3 号室:朝食は朝日と共に】3号室。1Kタイプの31.37m2。エントランスゲートをくぐり、右側に進みに一番奥の部屋のドアが3号室の玄関ドアである。玄関ドアをあけると南に面する窓から陽の光が降り注ぐ。この部屋はロフトをベッドルームに使用し、洋室で朝日と共に朝食をとる生活をしよう。

【2 号室:見られることにより美しくなる】2号室。1DKタイプの31.16m2。エントランスゲートを入って、左の一つ目の路地を入ったところに2号室の玄関ドアがある。玄関ドアをあけると洋室と半地下となってダイニングキッチンがある。洋室には大窓がある。見られることにより人は美しくなる。

【4 号室:斜めのダイナミズム】4号室。1DKタイプの40.31m2。エントランスゲートのすぐ先の階段をのぼる。そこには2つの玄関ドアがある。奥の玄関ドアが4号室の玄関ドアである。玄関ドアをあけるとキッチンがみえる。そして階段によって生まれた斜めのダイナミズムが想像力をかきたてる。

【8 号室:更なる斜めのダイナミズム】8号室。1DKタイプの38.82m2。エントランスゲートをくぐり、右から2つ目のキューブの正面に8号室の玄関ドアがある。その玄関ドアを開けると、いきなり斜めのダイナミズムがあらわれる。もし、この空間を住みこなせば、どんな空間も決して怖くはない。

【10 号室:穴蔵収納のある部屋】10号室。2LDKタイプの57.00m2。エントランスゲートをくぐり、右から2番目の路地を入ったところにある玄関ドアが 10号室の玄関ドアである。玄関ドアをあけるとすぐ階段があり、2階部分が部屋となっている。この部屋の魅力は、穴蔵のような収納である。

【11 号室:心地よいキッチンでおいしい食事を】11号室。1LDKタイプの49.75m2。エントランスゲートをくぐり、右から二つ目のキューブにある階段を上ったところに二つ並んだ玄関ドアの手前側が11号室の玄関ドアである。この部屋のキッチンの南側に窓があり、心地よい陽の光が降り注ぐ。

【12 号室:躍動的な部屋は平面図では伝わらない】12号室。1LDKタイプの45.90m2。エントランスゲートをくぐり、右から三つ目のキューブにある階段を上ったところにある玄関ドアが12号室の玄関ドアである。この部屋は平面図では分からない躍動的な空間をしている。意外な所に窓もある。

【13 号室:段差と斜めのコラボレーション】13号室。1DKタイプの39.15m2。エントランスゲートをくぐり、右から二つ目の路地を入ったところの一番奥の左側の玄関ドアが13号室の玄関ドアである。この部屋は開けるとすぐ階段があり、さらに部屋にも段差や斜めがありダイナミックな構成だ。

【16 号室:秘密の半地下の部屋】16号室。1Rタイプの29.86m2。エントランスゲートをくぐり、3つ目のキューブの地下に降りる階段があり、その玄関ドアが16号室の玄関ドアとなっている。半地下なので暗いということはないが、どの部屋よりも静かだ。そして洗面所は広く秘密の収納もある。

【18 号室:正統派メゾネットを希望される方はこちら】18号室。1LDKタイプの45.40m2。エントランスゲートをくぐり、右から三つ目のキューブにある階段の手前の玄関ドアが18号室の玄関ドアである。ここは正統派メゾネット。部屋も四角で使いやすく吹き抜けから差し込む光がカッコいい。

【19 号室:最後はお決まりの部屋で】19号室。1Kタイプの31.96m2。エントランスゲートをくぐり、裏側に回り、右から三つ目のキューブの階段を2段階上ったところにある玄関ドアが19号室の玄関ドアである。トリッキーな空間が多い中で、見慣れた1K。僕たちは多分一番コレが好き。(完)

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platform

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【江田なのか荏田なのか(その1)】デザイナーズマンションが都心に多いのは、それになりに理由がある。都心での過熱する賃貸マンションにおいて、差別化を図るためにデザイナーズが大きな役目を果たしてきた。しかし、デザイナーズの波は既に都心だけことではない。多摩川を越えた場所でも存在する。

【江田なのか荏田なのか(その2)】東急田園都市線多摩川を越えて20分ほどで「江田」駅につく。各駅停車電車しか停まらない小さな駅である。駅名は「江田」と表記するが、周辺の町名は「荏田」と表記する。これは建久年間にこの土地に江田小次郎という豪族がいて、これが後に「荏田」に変化した。

【駅から徒歩1分の魅力(その1)】大都市への一極集中は終わる気配がない。どれだけ都心へのアクセスがよいかということも、普通の賃貸物件では重要な要素である。しかし、デザイナーズ賃貸だと駅からの距離よりも建物の魅力のほうを重視する傾向がある。建物が気に入れば駅からの距離は気にしない。

【駅からの徒歩1分の魅力(その2)】このplatformは駅から徒歩1分である。駅のプラットフォームからも建物の外観を見ることができる。駅から徒歩1分にデメリットがないわけではない。電車が近いので日中は音が気になる。しかし、夜は電車が走っていない。企業戦士の休息を拒むものはない。

【駅中心に発達した街づくり(その 1)】江田駅から降りると目の前にplatformが現れる。打ち放しコンクリートとガラスとパネルが見事に融合して、ひとつのキューブを作り出している。1階部分には店舗が入っている。周りを見渡してみると、小さな駅だが中型スーパーやユニクロや喫茶店がある。

【駅中心に発達した街づくり(その 2)】鉄道というインフラストラクチャーは社会的に強い。日本の街づくりは、駅を中心として形成されてきた。都心のターミナル駅はいうまでもなく、郊外の小さな駅も同様だ。駅ができるかできないかによって街の構造が変化するほどのインパクトがあるのは事実である。

修道院のような厳かなエントランスホール(その1)】建物のメインエントランスには、小文字で「platform」というステンレスのネームプレートがついている。白いメインエントランスのドアを開けると、そこには静寂の空間が広がっている。今までのデザイナーズ物件とはすこし趣が違うようだ。

修道院のような厳かなエントランスホーム(その2)】本物のデザイナーズ物件はエントランスホールを飾るのを嫌う。デザイナーズ物件を名乗りたい普通のマンションほどインパクトを求めてエントランスを派手にする。それは本質ではない。修道院のような厳かな空間にこそ空間の豊かさが詰まっている。

【半開放的な廊下(その1)】エントランスホールからエレベータに乗り、6階に向かう。エレベータも打ち放しコンクリートに合わせて、ステンレスのシンプルな素材感が好印象である。エレベータが6階に着いた。共用廊下は、普通のマンションの外の廊下でもなく、閉鎖的な内の廊下ではなく、半開放だ。

【半開放的な廊下(その2)】住居が東西南北のすべての面に向いているので、共用廊下は基本的には内廊下となるのが当たり前だ。しかし、このplatformでは、中庭を設けることにより、住戸に囲まれているが半開放的な共用廊下となっている。一部分は開放となっており、心地よい風が通り抜ける。

【見切りはシャープに(その1)】玄関ドアを開けると目の前に大きなシューズクローゼットがある。奥行きがあるので、いろいろな靴が置ける。そして、靴脱ぎの部分は土間で仕上がっているが、お部屋の床は白のPタイルとなっている。しかし、部屋に入ってみるとPタイルとなっているの一部分であった。

【見切りはシャープに(その2)】Pタイルが一部分であるというのは、ダイニングスペースとキッチンスペースがPタイルであり、居室部分はフローリングとなっている。理由としては水回りに関わるところはPタイルとすることによってメンテンス性を重視している。ここで見過ごしてはいけない点がある。

【見切りはシャープに(その3)】Pタイルとフローリングの見切り部分に注目したい。そこには1本のシルバーのラインがみえる。これは別の素材に切り替えているので、見切りとしてステンレスバーを埋め込んでいる。些細なことかもしれないが、これがあることにより空間がシャープにまとまるのである。

【窓の位置もシャープに(その1)】大きな空間において窓の配置は難しい。どこに設けても構造的に問題ないとなるとなおさらだ。特に賃貸だと住む人のライフスタイルを想像するのは困難だ。何かのきっかけで窓の配置を決める必要がある。このplatformでは、ある方法で窓の位置を決定している。

【窓の位置もシャープに(その2)】打ち放しコンクリートの仕上げ面には、型枠で使用されるベニヤ板のサイズに合わせてラインができる。そのピッチは600?か900?である。この部屋は 600?である。そのピッチに合わせて窓のサイズを決定している。ラインとずれがなくシャープに納まっている。

【螺旋が生きる空間】メゾネットは人気がある。その理由として階段を使用した縦の動きに魅力があるからだ。そして、階段は螺旋階段が人気が高い。しかし、下手に螺旋階段を導入すると痛い目にあう。螺旋階段が最も活きる空間は、最低でも70m2は必要である。遠めで螺旋階段を眺めるのがたまらない。

【メゾネットはトイレの位置に要注意】真っ白な螺旋階段で2階にあがる。そこには、寝室、トイレ、洗面、そして、バスタブがある。メゾネットの場合は、トイレの位置が難しい。上下階に設置できるのが一番いいが、1ヶ所しか設置できないのであれば、寝室と同じ階に設置するのが最適解といえるだろう。

【田園風景を借景して】寝室の窓サッシは床まであるので、とても開放的である。その窓から見える風景は独特だ。それは、近景・中景・遠景と三段階で異なった表情がある。近景には中庭のヴォイドを見ることができ、中景には共用廊下を見ることができ、遠景には戸建の田園風景を見ることができる。(完)

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HANEGI G-House 2号室

HANEGI G-House 2号室

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【先週のHANEGI G-houseの復習(その1)】HANEGI G-houseは簡潔にいうとデザイナーズリノベーション物件である。しかし、リノベーションはあらゆる面において新しい空間への挑戦である。この部屋でも様々な挑戦が広げられている。それはエントランスから現れるのである。

【先週のHANEGI G-houseの復習(その2)】エントランスには木製デッキが現れ、外部のデッキテラスと視覚的に連続し触覚的には非連続となり、さらに床タイルが木造のデメリットをカバーしていたり、木のフレームが完璧ではないことが空間の魅力を増しており、その可能性は計り知れない。

【階段から始まるストーリー(その 1)】1階のお部屋で大満足とはいってられない。HANEGI G-houseは2階建ての戸建をリノベーションした物件だから、もちろん2階がある。1階と2階では、世の中的には2階が人気がある。その人気は高さにある。その高さまでいくためには階段が必要だ。

【階段から始まるストーリー(その 2)】1号室の玄関ドアの右斜め前のすぐのところに2号室の玄関ドアがある。ドアの開き方に工夫しているので、2つの玄関ドアが当たることはない。考えてみると2号室は2階の部屋である。外階段はないようだ。それは玄関ドアを開けると階段から始まるストーリーだ。

【意味のない空間にある精神性】玄関ドアにはシューズクローゼットがある。あるのが当たり前だが意外と設計のときに忘れやすいものだ。階段は踏面だけでなかく蹴上まで無垢材をまき込んでいるので施工の質の高さがわかる。階段室の天井には無の空間が広がり、そこに空間の精神性を見出すことができる。

【ガラスドアから漏れる光を目指して】玄関から入ってすぐの階段は天井も高くて暗い。靴脱ぎのところはダウンライトがあるので、明るいが階段部分は照明がない。しかも天井が高く照明を設置できない。そこで、階段を上がりきったところの居室の入り口にガラスドアを設けて、居室の光を道標としている。

【フローリングの温もりを感じながら(その1)】階段をゆっくりと上っていく。ちょっと古い住宅なので若干勾配がきついのだが、手摺が設けられているので怖くない。それがリノベーションの魅力である。過去と現代との調和をはかり、バランスよくデザインしていくことである。ガラスドアの前に着いた。

【フローリングの温もりを感じながら(その2)】ガラスドアの向こうは丸見えである。そのガラスドアの奥に広がっている魅力的な世界に見入った。ガラスドアの取っては小さなガラスボールのようだ。それを押して中に入る。無垢のフローリングの心地よい匂いがする。足の裏からもその温もりを感じれる。

【木と白の新しい出会い(その1)】天井は屋根の勾配に合わせているので高く感じる。天井の木組を露出させることによって、空間の構造的なダイナミックさが生まれている。さらに、その木組に着色を行っている。着色は壁の白に合わせて、白となっている。しかし、真っ白に塗りつぶしている訳ではない。

【木と白の新しい出会い(その2)】白は魔法の色である。建築家には様々な色を使う人たちも多い。その人たちは天性の色の感覚を持っており、そのセンスは素晴らしい。それでも一番よく使われる色は白である。それは白が一番に空間の魅力を引き出すからである。白であることが建築家の意図を表現する。

【木と白の新しい出会い(その3)】でも、ただ真っ白に塗るだけではつまらない。この木組は、白の塗料を拭き取っているので、木目の風合いが生かされている。それは完璧であることより、すこし外したほうが空間的に魅力を増すことに建築家は気付き始めている。これこそがリノベーションの本質である。

【キッチンにも窓が欲しいです(その 1)】リノベーション物件では、設備が重要なポイントとなる。単に最新の設備にすることが良いというわけではない。ある程度のバランス感覚が必要である。リノベーションだから成し得る裏技も見過ごせない。まずはキッチンだ。シンプルなステンレスキッチンである。

【キッチンにも窓が欲しいです(その 2)】ガスコンロをあえて2口とすることによって作業スペースが生まれてくる。そして、大きくて目立つのがレンジフードであるが、見えないようにコンパクトに収めている。それが可能となったのは、なんといってもキッチンに大きな窓がついているからに他ならない。

【最後の決め手は水周り(その1)】人間の生理的現象に関わるところは、非常にデリケートな問題である。そして、部屋を決める上でも最後の決定打になる。最近の傾向としては、風呂とトイレは別となっているのは当たり前であるが、トイレと洗面台が一緒になっているのが多い。それにはメリットがある。

【最後の決め手は水周り(その2)】トイレと洗面台を一緒にすることにより、空間を広く取ることが可能となる。トイレは気積で考えた場合、使っていない気積が多い。その分を洗面台と一緒することによって有効利用が可能である。このHANEGI G-houseもトイレと洗面台が一緒になっている。

【最後の決め手は水周り(その3)】洗面所の壁一面が鏡となっているので、より部屋が広く感じることができる。洗面所の中にも木の柱が建っているのは、ご愛嬌である。衛生設備は最新設備なので、文句のつけようがない。浴室のバスタブも広い。シャワーのデザインも過度でなく、シンプルで使いやすい。

【ELLE DECOでも注目の物件(その1)】本日発売のELLE DECO4月号に実は、HANEGI G-houseが新築物件と肩を並べている。それは、特集「インテリアが楽しくなる建築家の空間に住みたい!」で取り上げられ、HANEGI G-houseのライフスタイルを体感できる。

【ELLE DECOでも注目の物件(その2)】HANEGI G-houseについて以下のように書かれている。「この空間の中で最も特徴的なモジュール(木造の柱梁)のラインを妨げることなく、上質なレザーを配置するのがコツだ」。レザーの上質な手触りのような空間であることは確かだ。(完)

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HANEGI G-House 1号室

HANEGI G-House 1号室

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【東松原と新代田はめっちゃ近い(その 1)】「HANEGI G-house」の最寄の駅は、京王井の頭線「東松原」駅と「新代田」駅の2つである。どちらの駅にも徒歩7分でいける。どちらの駅を利用するかは、その生活スタイルに分かれそうだ。とりあえず、2つの駅はホームから肉眼で確認できる。

【東松原と新代田はめっちゃ近い(その 2)】駅前の商店街を期待したいのであれば、東松原駅だ。古くからある商店街で活気がある。新代田は環状7号線があるので商店街らしいものはない。しかし、なんでんかんでんラーメン二郎といったラーメン店が数多く出店しており、ラーメン激戦区となっている。

【普通の家が普通でない時(その1)】京王井の頭線「東松原」駅からゆっくりと歩くこと10分ほどで物件の近くまでやってきた。新築のデザイナーズマンションであると、その新築の眩しい輝きがあり、直に見つけることができる。しかし、HANEGI G-houseは簡単に見つけることが出来ない。

【普通の家が普通でない時(その2)】それはHANEGE G-houseがリノベーション物件だからである。リノベーションとリフォームを混同して使っていることが多いが、根本的には大きく異なる。リフォームはフローリングや畳の交換やクロスの張替えなど、一部を新品に取り替えたりすることだ。

【普通の家が普通でない時(その3)】リフォームはそれがリフォームされたかどうかは、今まで住んでいた人にしか、その喜びは分からない。しかし、リノベーションは空間の新しい可能性を追求することであり、今まで住んでいない人にも感動を与えることである。それは普通の家が普通ではなくなる時だ。

【連続と非連続の間で(その1)】 HANEGI G-houseは玄関部分を大きく改装している。本来は1つのドアの1戸の住宅であったが、今回のリノベーションで1階と2階を別々に貸すことになったために、新しく扉を2つ取り付けた。その扉は鉄扉であるのだが仕上げの素材がかなり独創的である。

【連続と非連続の間で(その2)】それは玄関ドアにリシン吹き付けを施し、ゴツゴツした仕上がりとなっている。ツルっとした既製品の扉へのアンチテーゼのようだ。右側の扉を開けるとそこには木製のデッキが敷かれている。多目的に利用できるようになっている。さらに、それはある仕掛けとなっている。

【連続と非連続の間で(その3)】玄関の木製デッキは外部のデッキテラスとガラスを介して連続しているのである。しかし、サッシではなく一枚ガラスとなっているので内部から外部に移ることが出来ないという非連続である。視覚的には連続し、触覚的には非連続する。しかし、この空間の歪みが心地よい。

【床はタイルで正解か(その1)】木製デッキ以外の床は、タイルとなっている。大きめのタイルでダークグレーの配色は、建物の安定感と空間の安心感を与えてくれる。しかし、畳とフローリングで生活してきた日本人とってタイルでの生活は些か抵抗を感じるものである。なぜ、床にタイルを選択したのか。

【床はタイルで正解か(その2)】まず考えられることは、日本人の生活が西洋化してきたことによるタイルへの抵抗が若い人たちには、和らいでいることである。空間の環境面で考えると、木造の場合は無垢フローリングを地面に近いところは湿気が多いため適さないので、タイルを選択したとも考えられる。

【完璧じゃない何かが魅力となる時(その1)】部屋の空間は大胆不敵である。まずは柱と梁がむき出しとなっている。それがこの空間の醍醐味となっている。部屋のど真ん中に柱が立っているのである。普通で考えれば、部屋が使いにくくなるのでNGだがリノベーションだとOKのは不思議な気持ちとなる。

【完璧じゃない何かが魅力となる時(その2)】この部屋にど真ん中に鎮座する柱も完璧ではないというのが魅力的なのだ。工場でプレカットされたときの番号が残っていたり、本来であれば、見えなくなるので綺麗に書かれていないところが良いのだ。それを見せるか見せないかは、住む人に任せられている。

【開口部と壁のバランス(その1)】お部屋の壁といえば、クロスが主流である。クロスにも多くの種類があり、最近では厚手のクロスよりも薄手のクロスのほうが人気がある。その理由として、薄手のクロスのほうが塗装に近い質感がある。壁の仕上げが塗装であると質の高さを感じる。左官塗りなら尚更だ。

【開口部と壁のバランス(その2)】 HANEGI G-houseには巧みなデザインで壁と開口部のバランスを生み出している。部屋は二つに分かれている。リビングルームとベッドルームはガラスで仕切られている。透明なガラスなので一体のように見えるが、実は一体ではない。その答えは、壁にある。

【開口部と壁のバランス(その3)】リビングルームの壁は左官で仕上げとなっており、柱を露出する真壁となっている。そして、ベッドルームは塗装仕上げでプラスターボードで柱を隠す大壁となっている。その壁の仕上げ具合で部屋の違いを認識できると同時に、開口部もそれぞれの部屋で変えているのだ。

【広く見える水周り】ベッドルームの脇に水周りとなる洗面所、トイレ、浴室がコンパクトにまとまっている。壁一面をガラスにしているので広くも感じることができる。さらに驚くべきことは水周りにも柱が建っているのである。この柱は他の部屋と比較しても、いろいろな使用方法を妄想することができる。

【ちょこっと収納LOVE】空間は効率的に広くとれるのに越したことはない。ちょっと間取りが難しい場合は、デッドスペースが生まれる。特にリノベーションでは既存の空間を新しい空間に生まれ変わらせる中で、必要以上にデッドスペースは増える。それはデッドスペースではなく収納として活用できる。

【CMの後もまだまだ続くよ】番組の最後なのに「CMの後もまだまだ続くよ」という決まり文句には、もう飽きた。ある意味、それは番組の最後を暗示するフレーズになってしまっている。 HANEGI G-houseは本当にCMの後もまだまだ続きます。次週はさらに魅力的な2階を絶賛します。(完)

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YUI南馬込アパートメント

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【やっぱり朝の通勤時は座りたい】 YUI南馬込アパートメントは、都営浅草線西馬込」駅から徒歩10分のところにある。「西馬込」駅は実はとってもサラリーマンに優しい駅なのだ。それは、東京23区内では珍しい「末端駅」であるため、たとえラッシュアワーであっても座席に座ることが容易である。

【白い外壁がいつまでも美しく(その 1)】YUI南馬込アパートメントは閑静な住宅街にある。また、駅周辺には東急ストアがあり、夜の9時まで営業しているので仕事帰りに夕食を買って帰れる。さらに、鎌倉時代に建立された萬福寺は、日蓮聖人参籠の禅寺として有名である。そして、白い外観が現れた。

【白い外壁がいつまでも美しく(その 2)】白い外壁は、いつの時代も羨望の眼差しを受けてきた。「ヨーロッパの真珠」とうたわれるクロアチア世界遺産ドブロブニク旧市街も褐色の屋根に白い外壁が美しい。しかし、白い外壁はメンテナンスが大変である。それは、白い外壁の宿命でもあり責任でもある。

【靴を履いていても感じる温もり】 YUI南馬込アパートメントは、地上2階建ての軽量鉄骨構造の4部屋だけの小ぶりでアパートである。今回は2階の部屋を内見することになった。2階の住戸には専用の階段がある。その階段も木製となっている。靴を履いていても、その温もりを感じれるほど味わい深い。

【古いと深いは紙一重(その1)】実際にマンションを見学して「古い」と感じることは多い。それは妥協せざる得ないことであるので、ほとんどの場合は受け入れる。しかし、「古い」として受け入れると「深い」として受け入れるのでは、雲泥の差がある。この階段も古いではなく深い。その感度が重要だ。

【古いと深いは紙一重(その2)】中古マンションをリノベーションする時などは「古い」に価値を見出して、オリジナルの空間をつくりだすことが多い。「古い」と意図的に作り出すのは簡単だが、「深い」を作り出すのは容易ではない。そこには時間が重要だ。この玄関扉を見ると「深い」の再確認できる。

【無垢のフローリングをどのように魅せるか(その1)】部屋に入るとそこには、無垢のフローリングとなっている。無垢のフローリングほど多くの種類があり木目をデザインも千差万別であるので、オーナー側のこだわりをみることができる。この部屋はパイン材の無垢フローリングで節ありを使用している。

【無垢のフローリングをどのように魅せるか(その2)】無垢のフローリングには、いろいろな表情がある。それが一番良く表しているのが「節」である。節なしの無垢のフローリングのほうが、空間としての調和、一体感が得られる。しかし、節ありの無垢のフローリングのほうが、個性的でとても魅力的だ。

【無垢のフローリングとの相性を考える(その1)】部屋の床が無垢のフローリングだと、それ自体が空間を支配する。そうなったときに重要なのは無垢のフローリングとの相性である。まず、壁紙について。無垢のフローリングの自然の風合いには、工業製品の均質的なクロスは似合わない。塗装がよく合う。

【無垢のフローリングとの相性を考える(その2)】クロスにもバリエーションが増えてきた。それは柄物のバリエーションが増えたということではなく、クロスの質感のバリエーションが増えたということである。昔は扱いやすい厚手のクロスが主流だったが、最近ではより塗装に近い薄手のクロスが人気だ。

【無垢のフローリングとの相性を考える(その3)】床と連続しているところは、壁だけではない。履き出しのサッシも無垢のフローリングと直接的に繋がっている。通常であればアルミサッシとなるところだが、無垢のフローリングには木製サッシを合わせたいの建築家としての本音だろう。しかし、高額だ。

【只者ではない木製サッシ(その1)】無垢のフローリングに木製サッシという完璧なコンビネーションを見せつけられると、それだけで満足。しかし、よくみるとそれだけではなかった。実はペアガラスだった。これには、さすがに度肝を抜かされた。それは断熱のためのペアガラスということだけではない。

【只者ではない木製サッシ(その2)】ペアガラスは高額であるが、最近は手の届く範囲の金額となってきた。しかし賃貸物件では高嶺の花である。それでも絶対にペアガラスを使用したい部屋がある。それが無垢のフローリングの部屋である。それは無垢のフローリングにとって結露こそが最大の敵だからだ。

【動く壁が空間の可能性を広げる(その 1)】部屋の可能性を求めるのであれば、何もない大きなワンルームがおすすめだ。それは、自分で好きなように部屋を間仕切りすることができるからだ。この YUI南馬込アパートメントには、間仕切りのように自由に動かせる壁がある。それは空間の可能性を広げる。

【動く壁が空間の可能性を広げる(その 2)】壁が動く。それが意味するところは、ワンルームの部屋が1LDKに変形することである。それだけでも画期的であるが、部屋を模様替えするきっかけにもなるだろう。もしも、部屋が物足りなくなったのであれば、壁を動かしてプチリフォームができるのである。

【さらばストックルーム、そして、こんにちは書斎(その1)】部屋において収納は重要である。魅力的な空間であれば、なお更である。クローゼットの他に大きなストックルームがあるのは、とても嬉しい。なんでもかんでも押し込めるストックルームは現代人にとって必要不可欠な空間となっているようだ。

【さらばストックルーム、そして、こんにちは書斎(その2)】ストックルームもある程度の大きさを越えると、そこはストックルームではなくという意外な事実を突きつけれた。それは、書斎としての利用価値がある。それは現代人の世界と繋がるためのネット環境は最小限で構わないという心理に起因する。

【語りつくせない魅力は感じるしかない】デザイナーズマンションを口で説明する、文章で説明するという行為自体が、愚かであると感じる。空間は、語るものではなく感じるものである。空間はあなたの五感に訴えかけ、あなたの新たな可能性を気付かせてくれる。そのような空間が今、目の前にある。(完)

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ラフィーヌ銀座

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歌舞伎座が生まれ変わります(その 1)】ラフィーヌ銀座は、銀座のエリアでも誰もがうらやむほど、アクセスが便利な立地にある。4駅8路線が使用でき、大手町、渋谷、汐留、東京へ直通で行けるのはビジネスマンならずとも嬉しい限りだ。また、最も近い駅は、東京メトロ日比谷線「東銀座」駅となる。

歌舞伎座が生まれ変わります(その 2)】東銀座の駅を降りたのであれば、3番出口を利用したい。それは地上口に出たときに歌舞伎座が出迎えてくれる。歌舞伎座は、銀座四丁目にある歌舞伎専用の劇場である。大正時代から松竹の直営で経営され、今日まで名実ともに代表的な歌舞伎劇場として知られる。

歌舞伎座が生まれ変わります(その 3)】歌舞伎座の変遷は、第1期から第3期に分けられる。現在のカタチである第3期は、吉田五十八による設計で1950年12月に竣工し1951年1月に開場した。そして、2010年に建て替えが決まった。その建て替え設計には、隈研吾が担当することになった。

歌舞伎座が生まれ変わります(その 4)】隈研吾は、バブルの時に一躍時の人となったが、バブル崩壊後は、東京での仕事ではなく、地方での風土に根ざした多くの建築を作っていった。その彼の時代を断絶するのではなく、グラデーションのように緩やかに繋げる建築に新しい歌舞伎座を期待したいと思う。

【そこに住居があることを気付くか(その1)】歌舞伎座を背にしてまっすぐ進む。普通のマンションだと、遠くから見ても建物が判断しやすいが、ラフィーヌ銀座は1階から10階までがオフィスとなっているので、オフィス街の銀座に溶け込んでいる。その存在がなかなか分からない。歩道橋に登ってみる。

【そこに住居があることに気付くか(その2)】歩道橋に登り、その目の前にある透明なカーテンウォールの建物がラフィーヌ銀座あると分かった。オフィス部分はまだ入居していないので、都心に突如出現したクリスタルのような美しさがある。住居部分は11階と12階だが、気付く人はまずいないだろう。

【スイスイスイート】歩道橋から降りて、住居用のエントランスに向かう。住居用のエントランスも大通りに面しているので、分かりやすい。エントランスは、安っぽい派手な演出はなく、シンプルで心地よい空間となっている。シルバー・ヘアラインの専用のエレベータでスイと11階まで行くことができる。

【ここが本当のエントランスホールだった(その1)】エレベータは意外と広い。駐輪場が地下になるので、自転車が入る広さがある。引越の時は、業務用の大型のエレベータが別にあるので安心だ。 11階に着いた。そこは別世界であった。1階のエントランスはシンプルであったが物足りなさを感じていた。

【ここが本当のエレベータホールだった(その2)】11階のエレベータホールは、下界の喧騒を忘れさせてくるような静けさの中に、ガラスブロックからの優しい光に包まれる心地よさがある。床は地中海に面する街の路地のような魅惑的な石畳となっている。緻密に製作された門扉も雰囲気を演出している。

【いきなり屋上に行ってきます(その 1)】ラフィーヌ銀座の間取りはすべてメゾネットとなっている。すべての部屋が11階に玄関ドアがあり、その空間が中庭となっている。その中庭に入る前に、11階のエントランスホールには別に階段がある。この階段は、屋上庭園へ繋がる階段となっているのである。

【いきなり屋上に行ってきます(その 2)】苺のシュートケーキの苺を最初に食べてしまうように堪えきれず屋上を目指した。そこはウッドデッキと程よい植栽があり東京湾を見渡すことができる。たぶん花火大会を見る時にはVIP席になるだろう。都心にいながら、こんな心地よい風を感じるのは初めてだ。

【コミュニティを育むための中庭(その 1)】屋上庭園から階段で降りてきて、門扉をくぐるとそこには中庭がある。たぶん銀座で一番太陽に近い中庭であろう。都心では肩身の狭い植物もここでは元気よく本来の姿に近づいている。この中庭に面している2階部分は共用廊下ではないのである。それが重要だ。

【コミュニティを育むための中庭(その 2)】中庭を設けているマンションは多い。でも、そのほとんどが共用廊下に面して中庭を設けているのだ。中庭をコミュニティの中心として捉えるのであれば、バルコニーに面するという答えはありだ。共用廊下ではよそよそしくても、バルコニーでは会話が生まれる。

【キッチンが広く心地よい理由(その 1)】部屋にたどり着く前に、すでに魅力がいっぱいで満腹感を感じていたが、部屋内部の仕上がりも気になる。各住戸の玄関ドアの前にはポーチとなっており、ゆったりとした空間となっている。そして、玄関ドアを開けると、そこには光り輝く純白のキッチンが現れた。

【キッチンが広く心地よい理由(その 2)】生活するためにはキッチンは重要だ。衣と住に関わるキッチンなのだが実は日陰の存在となってしまっている。キッチンは臭いなどで隔離された場所に追いやられる。しかしキッチンは広く心地よい空間に意図的に配置することによって、その空間は劇的に変化する。


【昼の銀座、夜のGINZA】キッチンの奥に光るガラスがある。そこは吹き抜けになっている。そこから銀座の街並みを見下ろすことができる。昼の銀座は、多くの企業戦士が携帯電話を片手に日本の未来を創るために奔走している。そして、夜のGINZAは、疲れた企業戦士を癒すオアシスとなっている。

【吹き抜けの立体的視線補完計画(その 1)】メゾネットは魅力的である。普段は水平移動しか出来ない空間において上下移動できる空間は新鮮である。しかし、その代償は少なくない。狭い部屋に無理に吹き抜けを設け、メゾネットにするのは自殺行為である。十分な広さでしかメゾネットの良さは語れない。

【吹き抜けの立体的視線補完計画(その 2)】メゾネットと共に生まれる吹き抜け空間を、単なるVOIDではなく、積極的に視線の立体交差が起こるような仕組みがあると空間が楽しくなる。この部屋では吹き抜けを介してビューバスとなっている。吹き抜けの立体的視線補完計画は始まったばかりだ。(完)

http://www.kkf.co.jp/g/tky/riro/raffi_ginza/

アクアキューブ銀座東

http://www.kkf.co.jp/g/mti/hm/aquaqube_ginhiga/

【日本に銀座は数多くあるけれど】「銀座」の名前は一種のブランドで全国各地の商店街には、「○○銀座」と呼ばれる所がそこかしこに見られる。地名の由来は、江戸時代の貨幣鋳造および銀地金の売買を行った銀座役所であり、「新両替町」の名称に代わり「銀座」として親しまれるようになり、定着した。

【実は築地本願寺はANNEXだった(その1)】アクアキューブ銀座東は、銀座というよりも築地に近い。築地には誰もが知っている築地本願寺がある。現在の古代インド様式の伽藍は当時の浄土真宗本願寺派法主大谷光瑞と親交のあった東京帝国大学工学部教授伊東忠太の設計で、1934年に完成した。

【実は築地本願寺はANNEXだった(その2)】都内でも代表的な寺院である築地本願寺は、総本山であると勘違いしそうだが、京都市にある西本願寺の別院である。正式名称は「浄土真宗本願寺派 本願寺築地別院」となっている。この地域は、文化的にも経済的にも日本のへそといえるような場所である。

【打ち放しコンクリートのと銀座(その 1)】築地に近いのだが、やっぱり銀座東に位置するので、それなりに街に活気が溢れており「銀座」というネームバリューが根強く残っている。そのような場所のマンションは、高級志向であるから、タイル貼りがメインである。しかし、アクアキューブ銀座東は違う。

【打ち放しコンクリートと銀座(その 2)】アクアキューブ銀座東の外観は打ち放しコンクリートである。打ち放しコンクリートは装飾的な外観へのアンチテーゼとして安藤忠雄を筆頭にアウトサイダー的な立場であった。しかし、安藤忠雄が東大教授になったように打ち放しコンクリートはもう異端ではない。

【銀座に店を構えることの意味(その 1)】銀座に店を構えることは、それだけでそのお店が一流のような錯覚を抱いてしまうだろう。これは、アパレルではよく使われる方法だ。いわゆるお店の旗艦店と呼ばれているのがそうである。それはお店の売り上げではなく、銀座に存在するということで意味がある。

【銀座に店を構えることの意味(その 2)】このアクアキューブ銀座東も1階が店舗になっている。それは決して大きなスペースではないが、銀座にあるという点で絶対的な優位性がある。現在はまだ工事中だが、単なるマスコット的なお店ではなく、地域に溶け込んだお店になることを期待したいと切に願う。

【和と洋が混在するエントランス(その 1)】外観が打ち放しコンクリートの延長で共用エントランスも打ち放しコンクリートの質素だが高級感のエントランスとなっている。打ち放しコンクリートの技術は、日本が世界でも最高ランクに位置するが、それは近年のことで、もともとはヨーロッパで開発された。


【和と洋が混在するエントランス(その 2)】しかし、ヨーロッパの初期のコンクリートは、打ち放しコンクリートにできるような代物ではなかったのである。打ち放しコンクリートとしての精度を高めていったのは日本の職人たちであった。そこには、侘び寂びに通じる日本美と共通するものが存在している。

【和と洋が混在するエントランス(その 3)】このアクアキューブ銀座東は、打ち放しコンクリート以外にも日本美を表現するかのような仕掛けがいくつか見受けることが出来る。それは、隣地との間のフェンスには簾が設置され、さらに、エレベータホールの外壁の下がガラスとなっており、玉砂利が見える。

【土間の使い方(その1)】エレベータで10階まであがる。ワンフロア2部屋という構成となっている。2部屋は基本的には同じ間取りで、ほとんど面積的にも変わらない。若干違うのは収納の大きさぐらいである。玄関ドアを開けてみる。新築の香りがする。そして目の前に広がっっているのは土間である。

【土間の使い方(その2)】この部屋の土間は玄関となっていながら、さらには水周りであるトイレ、洗面台、浴室につながっている。だから、水周りに行くためには部屋の上足から水周りの下足へと履き替える必要がある。煩わしいかもしれないが、空間を切り替える意味において、この土間は機能している。

【影が薄いキッチン(その1)】部屋に入るとそこは大きなワンルームとなっている。ワンルームの定義は、寝室とキッチンが同じ空間に位置していることをいう。キッチンが分離しているのは1Kとなる。ワンルームの場合は、キッチンという存在が空間のイメージを決める決定的な要素となりうるのである。

【影が薄いキッチン(その2)】キッチンは大きくて使いやすくて最新のモデルであることに越したことはない。しかし、ワンルームの部屋でそこまでのキッチンが必要であろうか。ワンルームのキッチンでは、あまり飾らずシンプルなキッチンが良い。この部屋のキッチンはシンプルであり空間を邪魔しない。

【収納なくして空間を語るべからず(その1)】住宅建築とは何か。「それは生活するための機械である」と答えたのは、かの有名な近代建築の巨匠である。それは、メカニックな設備を指すのではなく装飾的な建築よりもシンプルで使いやすい建築のことだ。空間を使いやすくする為には、収納は欠かせない。

【収納なくして空間を語るべからず(その2)】デザイナーズマンションは、シンプルな箱を追求した結果、収納を置き去りにしてしまった。それは空間を有効的に利用できない要因となっている。このアクアキューブ銀座東の収納の多さは、ワンルームの使いやすさを追求した結果に生まれたのである。(完)

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