アクアキューブ銀座東

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【日本に銀座は数多くあるけれど】「銀座」の名前は一種のブランドで全国各地の商店街には、「○○銀座」と呼ばれる所がそこかしこに見られる。地名の由来は、江戸時代の貨幣鋳造および銀地金の売買を行った銀座役所であり、「新両替町」の名称に代わり「銀座」として親しまれるようになり、定着した。

【実は築地本願寺はANNEXだった(その1)】アクアキューブ銀座東は、銀座というよりも築地に近い。築地には誰もが知っている築地本願寺がある。現在の古代インド様式の伽藍は当時の浄土真宗本願寺派法主大谷光瑞と親交のあった東京帝国大学工学部教授伊東忠太の設計で、1934年に完成した。

【実は築地本願寺はANNEXだった(その2)】都内でも代表的な寺院である築地本願寺は、総本山であると勘違いしそうだが、京都市にある西本願寺の別院である。正式名称は「浄土真宗本願寺派 本願寺築地別院」となっている。この地域は、文化的にも経済的にも日本のへそといえるような場所である。

【打ち放しコンクリートのと銀座(その 1)】築地に近いのだが、やっぱり銀座東に位置するので、それなりに街に活気が溢れており「銀座」というネームバリューが根強く残っている。そのような場所のマンションは、高級志向であるから、タイル貼りがメインである。しかし、アクアキューブ銀座東は違う。

【打ち放しコンクリートと銀座(その 2)】アクアキューブ銀座東の外観は打ち放しコンクリートである。打ち放しコンクリートは装飾的な外観へのアンチテーゼとして安藤忠雄を筆頭にアウトサイダー的な立場であった。しかし、安藤忠雄が東大教授になったように打ち放しコンクリートはもう異端ではない。

【銀座に店を構えることの意味(その 1)】銀座に店を構えることは、それだけでそのお店が一流のような錯覚を抱いてしまうだろう。これは、アパレルではよく使われる方法だ。いわゆるお店の旗艦店と呼ばれているのがそうである。それはお店の売り上げではなく、銀座に存在するということで意味がある。

【銀座に店を構えることの意味(その 2)】このアクアキューブ銀座東も1階が店舗になっている。それは決して大きなスペースではないが、銀座にあるという点で絶対的な優位性がある。現在はまだ工事中だが、単なるマスコット的なお店ではなく、地域に溶け込んだお店になることを期待したいと切に願う。

【和と洋が混在するエントランス(その 1)】外観が打ち放しコンクリートの延長で共用エントランスも打ち放しコンクリートの質素だが高級感のエントランスとなっている。打ち放しコンクリートの技術は、日本が世界でも最高ランクに位置するが、それは近年のことで、もともとはヨーロッパで開発された。


【和と洋が混在するエントランス(その 2)】しかし、ヨーロッパの初期のコンクリートは、打ち放しコンクリートにできるような代物ではなかったのである。打ち放しコンクリートとしての精度を高めていったのは日本の職人たちであった。そこには、侘び寂びに通じる日本美と共通するものが存在している。

【和と洋が混在するエントランス(その 3)】このアクアキューブ銀座東は、打ち放しコンクリート以外にも日本美を表現するかのような仕掛けがいくつか見受けることが出来る。それは、隣地との間のフェンスには簾が設置され、さらに、エレベータホールの外壁の下がガラスとなっており、玉砂利が見える。

【土間の使い方(その1)】エレベータで10階まであがる。ワンフロア2部屋という構成となっている。2部屋は基本的には同じ間取りで、ほとんど面積的にも変わらない。若干違うのは収納の大きさぐらいである。玄関ドアを開けてみる。新築の香りがする。そして目の前に広がっっているのは土間である。

【土間の使い方(その2)】この部屋の土間は玄関となっていながら、さらには水周りであるトイレ、洗面台、浴室につながっている。だから、水周りに行くためには部屋の上足から水周りの下足へと履き替える必要がある。煩わしいかもしれないが、空間を切り替える意味において、この土間は機能している。

【影が薄いキッチン(その1)】部屋に入るとそこは大きなワンルームとなっている。ワンルームの定義は、寝室とキッチンが同じ空間に位置していることをいう。キッチンが分離しているのは1Kとなる。ワンルームの場合は、キッチンという存在が空間のイメージを決める決定的な要素となりうるのである。

【影が薄いキッチン(その2)】キッチンは大きくて使いやすくて最新のモデルであることに越したことはない。しかし、ワンルームの部屋でそこまでのキッチンが必要であろうか。ワンルームのキッチンでは、あまり飾らずシンプルなキッチンが良い。この部屋のキッチンはシンプルであり空間を邪魔しない。

【収納なくして空間を語るべからず(その1)】住宅建築とは何か。「それは生活するための機械である」と答えたのは、かの有名な近代建築の巨匠である。それは、メカニックな設備を指すのではなく装飾的な建築よりもシンプルで使いやすい建築のことだ。空間を使いやすくする為には、収納は欠かせない。

【収納なくして空間を語るべからず(その2)】デザイナーズマンションは、シンプルな箱を追求した結果、収納を置き去りにしてしまった。それは空間を有効的に利用できない要因となっている。このアクアキューブ銀座東の収納の多さは、ワンルームの使いやすさを追求した結果に生まれたのである。(完)

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