platform

http://www.kkf.co.jp/design/tokyu/platfrom/

【江田なのか荏田なのか(その1)】デザイナーズマンションが都心に多いのは、それになりに理由がある。都心での過熱する賃貸マンションにおいて、差別化を図るためにデザイナーズが大きな役目を果たしてきた。しかし、デザイナーズの波は既に都心だけことではない。多摩川を越えた場所でも存在する。

【江田なのか荏田なのか(その2)】東急田園都市線多摩川を越えて20分ほどで「江田」駅につく。各駅停車電車しか停まらない小さな駅である。駅名は「江田」と表記するが、周辺の町名は「荏田」と表記する。これは建久年間にこの土地に江田小次郎という豪族がいて、これが後に「荏田」に変化した。

【駅から徒歩1分の魅力(その1)】大都市への一極集中は終わる気配がない。どれだけ都心へのアクセスがよいかということも、普通の賃貸物件では重要な要素である。しかし、デザイナーズ賃貸だと駅からの距離よりも建物の魅力のほうを重視する傾向がある。建物が気に入れば駅からの距離は気にしない。

【駅からの徒歩1分の魅力(その2)】このplatformは駅から徒歩1分である。駅のプラットフォームからも建物の外観を見ることができる。駅から徒歩1分にデメリットがないわけではない。電車が近いので日中は音が気になる。しかし、夜は電車が走っていない。企業戦士の休息を拒むものはない。

【駅中心に発達した街づくり(その 1)】江田駅から降りると目の前にplatformが現れる。打ち放しコンクリートとガラスとパネルが見事に融合して、ひとつのキューブを作り出している。1階部分には店舗が入っている。周りを見渡してみると、小さな駅だが中型スーパーやユニクロや喫茶店がある。

【駅中心に発達した街づくり(その 2)】鉄道というインフラストラクチャーは社会的に強い。日本の街づくりは、駅を中心として形成されてきた。都心のターミナル駅はいうまでもなく、郊外の小さな駅も同様だ。駅ができるかできないかによって街の構造が変化するほどのインパクトがあるのは事実である。

修道院のような厳かなエントランスホール(その1)】建物のメインエントランスには、小文字で「platform」というステンレスのネームプレートがついている。白いメインエントランスのドアを開けると、そこには静寂の空間が広がっている。今までのデザイナーズ物件とはすこし趣が違うようだ。

修道院のような厳かなエントランスホーム(その2)】本物のデザイナーズ物件はエントランスホールを飾るのを嫌う。デザイナーズ物件を名乗りたい普通のマンションほどインパクトを求めてエントランスを派手にする。それは本質ではない。修道院のような厳かな空間にこそ空間の豊かさが詰まっている。

【半開放的な廊下(その1)】エントランスホールからエレベータに乗り、6階に向かう。エレベータも打ち放しコンクリートに合わせて、ステンレスのシンプルな素材感が好印象である。エレベータが6階に着いた。共用廊下は、普通のマンションの外の廊下でもなく、閉鎖的な内の廊下ではなく、半開放だ。

【半開放的な廊下(その2)】住居が東西南北のすべての面に向いているので、共用廊下は基本的には内廊下となるのが当たり前だ。しかし、このplatformでは、中庭を設けることにより、住戸に囲まれているが半開放的な共用廊下となっている。一部分は開放となっており、心地よい風が通り抜ける。

【見切りはシャープに(その1)】玄関ドアを開けると目の前に大きなシューズクローゼットがある。奥行きがあるので、いろいろな靴が置ける。そして、靴脱ぎの部分は土間で仕上がっているが、お部屋の床は白のPタイルとなっている。しかし、部屋に入ってみるとPタイルとなっているの一部分であった。

【見切りはシャープに(その2)】Pタイルが一部分であるというのは、ダイニングスペースとキッチンスペースがPタイルであり、居室部分はフローリングとなっている。理由としては水回りに関わるところはPタイルとすることによってメンテンス性を重視している。ここで見過ごしてはいけない点がある。

【見切りはシャープに(その3)】Pタイルとフローリングの見切り部分に注目したい。そこには1本のシルバーのラインがみえる。これは別の素材に切り替えているので、見切りとしてステンレスバーを埋め込んでいる。些細なことかもしれないが、これがあることにより空間がシャープにまとまるのである。

【窓の位置もシャープに(その1)】大きな空間において窓の配置は難しい。どこに設けても構造的に問題ないとなるとなおさらだ。特に賃貸だと住む人のライフスタイルを想像するのは困難だ。何かのきっかけで窓の配置を決める必要がある。このplatformでは、ある方法で窓の位置を決定している。

【窓の位置もシャープに(その2)】打ち放しコンクリートの仕上げ面には、型枠で使用されるベニヤ板のサイズに合わせてラインができる。そのピッチは600?か900?である。この部屋は 600?である。そのピッチに合わせて窓のサイズを決定している。ラインとずれがなくシャープに納まっている。

【螺旋が生きる空間】メゾネットは人気がある。その理由として階段を使用した縦の動きに魅力があるからだ。そして、階段は螺旋階段が人気が高い。しかし、下手に螺旋階段を導入すると痛い目にあう。螺旋階段が最も活きる空間は、最低でも70m2は必要である。遠めで螺旋階段を眺めるのがたまらない。

【メゾネットはトイレの位置に要注意】真っ白な螺旋階段で2階にあがる。そこには、寝室、トイレ、洗面、そして、バスタブがある。メゾネットの場合は、トイレの位置が難しい。上下階に設置できるのが一番いいが、1ヶ所しか設置できないのであれば、寝室と同じ階に設置するのが最適解といえるだろう。

【田園風景を借景して】寝室の窓サッシは床まであるので、とても開放的である。その窓から見える風景は独特だ。それは、近景・中景・遠景と三段階で異なった表情がある。近景には中庭のヴォイドを見ることができ、中景には共用廊下を見ることができ、遠景には戸建の田園風景を見ることができる。(完)

http://www.kkf.co.jp/design/tokyu/platfrom/