目黒リゾート

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【やっぱり春は目黒川(その1)】目黒リゾートは、JR山手線目黒駅から徒歩10分ほどのところにある。都心部で徒歩10分は距離があるように思うかもしれないが、実際に歩いてみると距離を感じさせない。理由として、目黒通りの賑わいと目黒川にある。目黒通りはラーメン激戦区で活気に溢れている。

【やっぱり春は目黒川(その2)】目黒川は、東京都世田谷区、目黒区および品川区を流れ東京湾に注ぐ河川である。河口付近では古くは「品川」といい、湾岸開発が進む以前は河口付近で流れが湾曲していて流れが緩やかであったため、古くは港として使われ、多くの品物の行き交っていた川であったである。

【やっぱり春は目黒川(その3)】目黒川の池尻大橋から目黒駅辺りまで3.8キロの川沿いに約830本のソメイヨシノが植えられている。その途中にある中目黒公園には、さくらのテラスというお花見には最高の場所があり、毎年春になると若いカップルやファミリーが集まり、賑わいは最高潮に達する。

【オフホワイトの外観(その1)】大通りから目黒区民センターの方角に向かう。遠くには公園の緑が真夏の太陽の光を受けて、緑がより鮮明に見える。その下では、子犬をつれて散歩しているカップルが見える。連日35度を超えているが、子犬は元気に駆け回っている。そして、目黒リゾートが見えてきた。

【オフホワイトの外観(その2)】目黒リゾートの外観は、オフホワイトである。デザイナーズ物件はホワイトの外観が多いので、すこしくすんだように見える。しかし、自然界には完全な白は存在しない。オフホワイトが一番自然に近い白なのである。それは、人間と自然を結びつける柔らかな色合いである。

【リゾートへの入り口(その1)】名前負けする建物は意外と多い。設計事務所やオーナーが願いを込めて作った建築物であったとしても、名前と建物の内容のバランスは重要である。デザイナーズ物件であったとしても、残念な物件も数多くある。例えば、近代建築の巨匠が発明したスケールから命名したり。

【リゾートへの入り口(その2)】リゾートと聞いて、イメージするのは非日常の空間である。その空間への入り口は重要である。目黒リゾートのエントランスには、緩やかウッドデッキのスロープ、地面に埋め込んだアッパーライト、漆黒の玉石など、そこにはリゾートを期待させてくれる演出が数多くある。

【オンリーワンへのこだわり】オートロックのドアを抜けてエレベータで3階に向かう。ワンフロアは2つの住戸がある。大規模な集合住宅も悪くはないが、デザイナーズの個性を尊重するのであれば、小規模の集合住宅でオンリーワンの価値を堪能したい。玄関を空けると、ガラスブロックが出迎えてくれる。

【キッチンをメインとする空間(その1)】玄関から部屋の中が見えないような間取りとなっている。靴を脱ぎ、リビングに踏み込むとそこには大きな真っ白なカウンターが現れた。全体を白いタイルで包み込んでいる。普通のマンションではありえないほどの大きさである。それは、なんとキッチンであった。


【キッチンをメインとする空間(その2)】キッチンという空間は、メインとなるリビングルームに対して、サブ的な空間として位置づけられる。ほとんどのマンションでは日の当たらない場所から、衣食住の「食」を支えてくれる。しかし、キッチンを構成している小さな備品たちは、デザインの宝庫である。

【キッチンをメインとする空間(その3)】その代表的なものは、ドイツのグローエである。ゲルマン魂が作り上げたその製品は、頑丈でありながらも洗練された革新的なデザインがとても美しい。グローエを備えたキッチンであれば、十分にメインの空間として、表舞台に出たとしても、何も恐いものはない。

【キッチンの上を見上げてみる(その1)】キッチンの上を見上げてみよう。そのほとんどの場合で、レンジフードを目にする。レンジフードは、煙を吸い込むという単純な機能のわりには図体がでかいように感じる。レンジフードの形態をシンプルにすることができれば、キッチンはより魅力的になるはずだ。

【キッチンの上を見上げてみる(その2)】目黒リゾートのレンジフードはかなりこだわっている。まずは吸いこみ口をコの字で囲み、そして、その周りを一段上げることによってスペースを作り出し、そこに間接照明を組み込んでいる。それがライトアップされるとき、キッチンを中心に生活が動き出すのだ。

【縦に広がるベッドルーム(その1)】空間において一番使いやすいカタチは、正方形である。それはカタチに縛られることなく、モノの配置をすることができるからである。しかし、台形のような広がりあるようなカタチはどうだろうか。空間としては面白いがモノの配置が難しく、上級者向けの空間である。

【縦に広がるベッドルーム(その2)】平面的に広がりのある空間ではなく、断面的に広がりのある空間はどうだろうか。ちょっとイメージしにくいかもしれない。それならば目黒リゾートのこの部屋を体験してもらいたい。断面的な広がりは、モノの配置を束縛することなく、心地よい空間を提供してくれる。

【デザイナーズの絶対的な領域(その1)】デザイナーズ物件の最大の魅力は、水周りにあるといっても過言ではない。各居室は住む人の家具や家電を置くことを想定する必要があるので、いくらデザイナーズといえでも居室を過度に作りこむことはできない。そのうっぷんを晴らすかごとく水周りを作りこむ。

【デザイナーズの絶対的な領域(その2)】作りこまれた水周りは美しい。確かにユニットバスは精度も良く見た目もとても美しい。しかし、現場の職人で作り込まれる水周りは、現場でしか生まれない苦心の納まりがある。確かにキレイに納まっていないかもしれないが、その職人魂に敬意を表したい。(完)

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