四谷アパートメント

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四谷怪談は嘘なのか(その1)】四谷アパートメントは東京メトロ丸の内線「四谷三丁目」駅から徒歩7分ほどのところに建っている。駅前は大通りなので、かなりの交通量だ。新宿エリア、青山エリア、皇居エリアにすぐに行ける場所で利便性はよい。建物付近の左門町は四谷怪談で有名なところでもある。

四谷怪談は嘘なのか(その2)】左門町は、江戸時代には鶴屋南北による東海道四谷怪談に登場する「お岩」が居住していた地としても知られている。「お岩」を祀った於岩稲荷が存在するが、史実としてお岩自身は恐ろしい女性ではなく、夫とは仲がよく、良く働き家庭を支えつづけた健気な女性であった。

【都心のコインパーキングは上限ありに限ります】昔の名残か道路の幅も狭く、四谷アパートメント周辺は個人住宅や低層のアパートメントやマンションが数多くある。しかし、嬉しい発見もある。住宅密集地であるにもかかわらず、建物の向かい側がコインパーキングとなっている。さらに嬉しい上限ありだ。

【打ち放しコンクリートだけでは芸がない(その1)】デザイナーズマンションといえば、打ち放しコンクリートがその代名詞のようになっている。しかし、外観は打ち放しコンクリートでも、部屋は普通のマンションであることも多く、もう既に打ち放しコンクリートだけでは、デザイナーズと言い切れない。

【打ち放しコンクリートだけでは芸がない(その2)】打ち放しコンクリートを基調としながら、建物を特徴づけるためのアクセントが必要である。四谷アパートメントでは、アクセントとしてブラウンの吹き付け塗装した壁とシルバーのアルミ製ルーバーで、打ち放しコンクリートの建物に個性を与えている。

【建物グレードに関わるオートロック(その1)】建物の顔とも言えるのが、共用部のエントランスである。特に都心部のマンションでは、共用部のエントランスホールに重厚なソファーやインテリア家具を飾ってあり、ガラス張りにして華麗にライトアップをしている。しかし、四谷アパートメントは異なる。

【建物グレードに関わるオートロック(その2)】オートロックのドアは、ガラスだけとは限らない。確かにガラスの透明性は、清潔感を与えてくれる。しかし、四谷アパートメントのオートロックのドアは、コールテン鋼となっている。それは、錆で包み耐久性を高めた鋼である。熟練された美しさを感じる。

【長屋の良さを極める(その1)】長屋とは、複数の住戸が水平方向に連なり壁を共有する物である。そして、必ず求められることは各戸の玄関が直接接道など外界に接しており、その玄関を他の住戸と共有していてはならないことである。これらのことを考慮すると四谷アパートメントは現代の長屋といえる。

【長屋の良さを極める(その2)】長屋の良さは、住民とのつながりである。昔の長屋には縁側があり、そこに住民が集まって井戸端会議をしていた。現代ではセキュリティのことを考えるとすべてをオープンにするのは難しい。しかし、住民とのつながりのきっかけとなるようなガレージはあっていいだろう。

【ガレージだけではもったいない】ガレージの空間があるからといって、車を持っている人だけに限定するのはもったいない。ガレージはスケルトンの状態である。部屋のように仕上がっていない状態である。自分の趣味の部屋として、デコレーションをしても面白い。ガレージは、可能性を秘めた場所である。

【外からは見えないが、内からは見える(その1)】1階のガレージにも入り口としての鉄扉はあるが、正規のエントランスは2階の部分である。2階の部分には土間があり、そこが1階と2階をつなぐ役目を果たしている。さらに、共用廊下から土間に入る部分は、引き戸となっており、工夫が施されている。

【外からは見えないが、内から見える(その2)】それは単なる引き戸ではない。ガラス戸ではなく、簾のような素材で出来ている。そして、簾なので隙間が空いているのだが部屋の中を見ることができない。しかし、部屋から簾を見ると外の風景を見ることができる。セキュリティと開放性を兼ね備えている。

無垢フローリングの心地よさと問題点(その1)】最近では無垢のフローリングのデザイナーズマンションは多くなった。理由として考えられるのは、自然材料を使用することによって住環境がよくなり、シックハウスにもなりにくい。また、素足で歩いたときの感触は、老若男女に心地よさを与えてくれる。

無垢フローリングの心地よさと問題点(その2)】しかし、良いことだけではないのが無垢フローリングの奥深さである。無垢フローリングの悩ましいところは、その施工難度が高いということである。生きている木材を使用するので狂いやすい。そのことにより、一番の問題である床鳴りを起こしてしまう。

【無垢竹フローリングの可能性を探る】床鳴りが起こってしまうのは、無垢フローリングを使っている証拠であると納得できればよいが、なかなか納得するのは難しい。そこで四谷アパートメントの無垢竹フローリングはひとつの答えとなりそうだ。竹は固くて伸縮しにくい。また、竹の繊維も斑がなく美しい。

【階段を制するものはメゾネットを制する(その1)】四谷アパートメントのこの部屋は、1階のガレージ、2階のリビングルーム、3階のベッドルームと3層構成となっている。必然的に上下階を移動するために、階段が必要となってくる。この階段スペースが曲者で、部屋の良し悪しが決定する要素となる。

【階段を制するものはメゾネットを制する(その2)】階段で魅力的で人気があるのは螺旋階段である。しかし、螺旋階段は見た目はよいが、場所をとるので部屋の大きさが犠牲となってしまう。問題は階段のデッドスペースをどのように活用できるのかということである。この部屋は模範解答を示してくれる。

【階段を制するものはメゾネットを制する(その3)】1階から2階に上がる階段の下は、バイク置き場として最適な広さとなっている。そして2階から3階に上がる階段の下は、物置となっている。メゾネットをライフスタイルとの位置づけ方。ここは暮らしの中心に位置付けていることが素晴らしい。(完)

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