ティンバーアパートメント

http://www.kkf.co.jp/design/odakyu/03/

【実は西生田駅でした】小田原急行電鉄の「読売ランド前」駅は、開設当時は別の名前であった。それは「西生田」駅という名称であった。現在の「生田駅」が「東生田」という駅名だったので、名づけられることになった。1964年によみうりランドが開園したことから、「読売ランド前」と変更となった。

よみうりランドにそんなものがあったとは】よみうりランドは1964年に開園している。多摩丘陵南部にある郊外型の遊園地で、園内には観覧車などの遊戯施設がある。近年は、スーパー銭湯などが敷地内に開設されている。 かつては、日本で唯一の常設の「水中バレエ劇場」があったというから驚きだ。

【ちょっと複雑、よみうりランドよみうりランドの本社は東京都稲城市にある。そのために所在地は東京都稲城市が表記されている。しかし、敷地の大部分は神奈川県川崎市多摩区に属する。そのため電話番号も川崎の044となっている。複雑なことに巨人軍室内練習場の一部は稲城市飛地になっている。

【青空が似合う真っ白な外壁】駅から歩くこと3分。川沿いの細い道を抜けていくと、そこに突如白い外壁の建物が現れる。これがティンバーアパートメントだ。道路からすこしセットバックしているので、外観を一望することできる。特に今日のような青空では一層その白さが輝きを増しているように感じる。

【付属施設もしっかりとコーディネート(その1)】このようなアメリカンスタイルのアパートは珍しい。特に外観だけで、そのクオリティの高さを感じさせてくれるのは、少ない。その理由として考えられるのは、付属施設もしっかりとメインの建物同様にしっかりとコーディネートされているに他ならない。

【付属施設もしっかりとコーディネート(その2)】エントランス部分にそのクオリティの高さを感じる。オートロックとなっている門扉もアメリカ西武開拓時代の懐かしくも新鮮な佇まい。宅配ボックスも木の化粧で金属的な冷たさは感じられない。さらに、ごみ置き場までトンガリ屋根の木造となっている。

【エントランスで出迎えるのは、あの動物】エントランスのオートロックの門扉をくぐると、ある動物が出迎えてくれる。その動物は小さいながらも存在感を放っている。その動物とは「ふくろう」である。特にこの地域がふくろうで有名名場所ということではなく、「福」を招くという意味が込められている。

【まさにウエスタンな中庭】前面道路から外観を眺めていると、まだここが日本であるという意識が残っている。しかし、門扉をくぐり3棟のティンバーアパートメントに囲まれると、ここが日本であることを忘れアメリカンウエスタンに迷い込んでしまった興奮を得ることができる。それは不思議な高揚感だ。

【空間のゆとりから生まれる木の温もり】ここの中庭はゆっくりと時間が流れている。そのゆっくりとした時の流れが空間のゆとりを生み出す。そのゆとりにより、中庭の中心に設けられている木製階段を生み出し、木の温もりを感じさせる装置となっている。また、階段の手すりがさらに木の親密度を上げる。

【細部へのこだわりが手作り感の良さ】玄関ドアの色も、真っ青な空と負けないほどクリスタルブルーで統一されている。部屋番号も古きよきアメリカのフォントを使用しているので、さらにその雰囲気を高めてくれる。このような細部へのこだわりが、住宅建築は手作りであるということを実感させてくれる。

【収納は既定路線ではない】玄関ドアをあけるとそこにはシューズクローゼットがある。さらにキッチンの対面にも収納がある。収納の扉にするにはもったいないほどのしっかりとしたドア。そのドアをあける1畳の大きな空間がある。何もない。そこは住む人が好きに収納をアレンジできるようになっている。

【キッチンという名の桧舞台(その 1)】ロフトというには勿体無いほどの大きなスペースがあり、メゾネットと表現するのが相応しい。上階を寝室として利用するのであれば、下階はリビングとして利用するのが自然な流れだ。リビングの片隅にはキッチンが存在感を発揮している。ただのキッチンではない。

【キッチンというの名の桧舞台(その 2)】キッチンは無垢のフローリングに合わせるように木目調の素材で構成されている。機能性を追求しながら。デザイン的なバランスも考えているところが共感できる。さらにキッチン周りの油分など汚れを考慮して、床をタイルで仕上げている点も見逃せないのである。

【浴室変われば気分も変わる】ユニットバスに慣れた現代人には、ちょっと刺激が強すぎるかもしれない。トイレ、洗面台、お風呂は同じ空間にある。窓台から下はタイルで出来ており、その上はヒノキの板張りとなっている。さらにバスタブは猫足。浴室がここまで変わるとリラックスタイムも変わりそうだ。

【やっぱり大空間が好きです(その 1)】無垢のフローリングに構造梁を露出したティンバーフレーム。こんなにも木材の力強さと気持ちよさを味わえる大空間は他にはないだろう。大空間なので真冬には暖まるのに時間がかかるだろう。しかし窓サッシはペアガラスとなっているので一度暖まれば冷めにくい。

【やっぱり大空間が好きです(その 2)】ちょっと軋みを感じる木製階段に温かみを感じながら、ロフトにあがってみる。もうロフトなどと呼ぶには失礼なくらい広い。木製の梁が近くに見えているのは、なんとも不思議な感じだ。ロフトから下階の空間を見下ろす時に、ここに住んでよかったと感じる。(完)

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