グランディール哲学堂

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哲学堂ってどんなところ(その1)】実は哲学堂という地名は存在しない。その名前の由来となったのは、中野区松が丘1丁目にある「哲学堂公園」である。東洋大学の創設者である哲学者の井上円了が、ソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀った「四聖堂」を建設したのが、この公園のはじまりなのである。

哲学堂ってどんなところ(その2)】せっかくなので哲学堂公園についてもうすこし詳しく説明する。井上円了による哲学堂域「哲学堂七十七場」として哲学に由来した名称がつけられている77の施設が散在している。街には哲学堂という名称が数多く利用されており、住民からは結構愛されているようだ。

【学校裏は穴場です】今回の物件は中学校の北側の敷地に建っている。学校に近いのだが生徒の声はほとんど気にならない。さらに校舎が敷地めいっぱいに建てられているのではなく、かなり距離が取れているので視線は気にならない。さらに校舎は3階建なので採光も十分。学校裏の敷地は穴場かもしれない。

【外壁は漆黒のブラック(その1)】外壁が黒というのは今までの建築ではあまりなかった。それは建築という空間は、家族を優しく包み込むものであるという印象が強く華やかな色が多用された。しかし、日本の伝統的な家屋は色黒が多い。特に屋根瓦は漆黒である。まさに日本人の髪を表現しているようだ。

【外壁は漆黒のブラック(その2)】この物件は全てが漆黒のブラックで包み込まれている。それは、長い黒髪の日本の女性のような美しさを醸し出しており、さらに街並みから突出した存在ではなく、日本女性の奥床しさも兼ね備えているような佇まいがあるように感じる。それは日本美の本質、侘び寂びだ。

【日本美の奥に潜む環境美】この建物の外壁は、ただ単に日本美の侘び寂びを表現しているわけではない。それは、外断熱として機能しているのである。打ち放しコンクリートは、高温多湿の日本の風土にはマッチしない。そのために外断熱は、住環境に有効的に作用する。日本美でありながら環境美でもある。

【禅寺のような厳かな共用廊下】オートロックとなっている門扉をくぐると禅寺のような厳かな共用廊下が迎えてくれる。それはシルクのような白色の石畳が漆黒の外壁と黒色の砂利に挟まれているので、より石畳の白さが際立っている。また、1、2階の部屋のすべての玄関ドアが並んでいるのは壮観である。

【光沢の黒とマットな黒の競演】玄関ドアは、外壁の漆黒よりもさらに黒い。外壁は光沢があり自然の光を受け入れ、その見る角度によりブラックオパールのような妖しげな反射をする。しかし玄関ドアには光沢がない。マット・ブラックであるから、すべての光を吸収することによって、その存在を誇示する。

【無駄なく美しく並べてみる】玄関ドアと大型窓がある一定のリズムで並んでいる。そのリズムはケン・ケン・パのリズムに似ている。玄関ドア・玄関ドア・大型窓、玄関ドア・玄関ドア・大型窓という単純でありながらも、その並びに無駄がないように感じる。その理由は、繫ぎとしての壁がないからなのだ。

【階段に靴を並べてみませんか】玄関ドアを開けると、いきなり階段が現れる。そのインパクトは大きい。この部屋は1階がエントランスのみで、2階と3階に居室があるという構成をしている。1階はエントランスのみなので、残念ながらシューズクローゼットがない。階段に靴を並べてみるのもいいだろう。

【手すりの意義を問う(その1)】この階段を登っていくと、途中から手すりが現れる。デザイナーズマンションでは手すりは嫌われものだ。その存在が無骨すぎるので、手すりは細くシャープにつくられるのがトレンドだ。しかし、この手すりは大きい。中途半端な大きさではない。その存在を主張している。

【手すりの意義を問う(その2)】しかし、手すりとは安全の為に設置されるものであり、たとえ細くてシャープで美しくても危険であれば、それは手すりの意味を成さず単なる邪魔者にすぎない。この部屋の手すりは安全面から見れば合格だ。あとはそのヴォリュームをどのように処理するのかということだ。

【住空間は臨機応変に】2階は大きなワンルームとなっている。キッチンがあるのでリビング・ダイニングとして使用するのが普通であるが、そのような固定概念はいらない。時にはリビングルーム、ある時にはベッドルームになる。そのような臨機応変な空間の使い方が、今私たちの生活に問われているのだ。

【設備はしっかりと結束力をもって(その1)】この2階の空間で一番のポイントは3階部分との吹き抜けである。確かに吹き抜けは気持ちが良いし、他のマンションでは体験できない。しかし、もっとも特筆すべきことはキッチンのところであると確信している。この小さなキッチンを見過ごしてはいけない。

【設備はしっかりと結束力をもって(その2)】実は、キッチンの上部にレンジフードと共にエアコンが設置されているのである。これは意外な組み合わせであり、今までのデザイナーズマンションでは見たことがない。設備的な配管の収まりを考えると、ここのように設備をまとめておくことは、効率が良い。

【バスタブだって自由がほしい(その 1)】ユニットバスは各メーカーが凌ぎを削っている。だから、毎年毎年新しいモデルや画期的なシステムが生まれている。さらに近年のリフォームブームでその勢いは加速している。しかし、その加速は2,3年の築浅マンションの古さも加速している原因となっている。

【バスタブだって自由がほしい(その 2)】ユニットバスは古さを感じさせる装置となっているように思う。そこにはプレハブの不自由さがあるのではないか。バスタブは、もっと自由になるべきだ。この物件の置き式のバスタブは開放され自由となっている。それは時代の流行とは無縁で古さを感じさせない。

【見上げればサプライズ】外壁は打ち放しコンクリート、センスのよい水周り、優しいナチュラル系フローリング、空間を演出するライティングレール、デザイナーズの要素として十分だ。これ以上何を望むのか。天井を見上げれば、そこには天窓がある。このようなサプライズがたまらなく好きなのだ。(完)

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