Refuge・O・Forest(リフュージュ・オー・フォレスト)

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【レトロな方南町駅が好きです】東京メトロ丸の内線「中野坂上」駅で「方南町」駅行きに乗り換え、6分ほどで終点の「方南町」駅にたどり着きます。ホームには懐かしい扇風機がまだ活躍しており昭和の香りがします。香りといえば、この駅の名物「地下鉄そば」が地元のみならず地下鉄ファンにも有名だ。

【由緒正しい方南銀座】方南町駅を降りて、地上階にあがると、環状7号線の賑やかさとは別の賑やかさがある。それは方南銀座として皆に愛されている商店街である。その歴史は昭和28年方南銀座商店会として発足し昭和41年方南銀座商店街振興組合として東京都より認可され歴史が古く由緒正しいのだ。

【物件まで歩きますけど楽しい理由は】今回の物件は、駅から結構歩きます。徒歩12分ぐらいですが、ずっと平坦な道だから辛くは感じない。駅前の商店街にちょっと立ち寄りしてみたり、「東京のへそ」として1000年の歴史を誇る大宮八幡宮を散策したりと新しい自分が発見できる喜びを味わえそうだ。

【突如現れる地上のラピュタ方南町駅から閑静な住宅街を抜けていき、小道を進んでいくと、いきなり建物が現れる。それは、まさしく宮崎駿アニメの最高傑作のひとつ「天空の城ラピュタ」でシータとパズーがはじめてラピュタにたどり着いたときのような、建物と緑の美しい融合が僕を迎え入れてくれる。

【静かなアプローチに感じること】建物の入り口には中庭に通ずるゲートがある。ゲートといっても門番がいるわけではなく、誰でも入ることできる。足元はアスファルトではなく、中心に穴の開いた正方形のブロックが敷き詰められている。その穴から緑が生えている。それは足元から伝わる自然の力強さだ。

【中庭から見上げる風景】中庭を取り囲むように打ち放しコンクリートの建物がそびえ立つ。しかし、ガラスを多用していることにより、中庭にある木々がガラスに映りこんでいて、森の深部にいるような錯覚を起こす。建物から飛び出ているガラスボックスの存在は、自然の強さと儚さを具現しているようだ。

【エントランスは正方形】中庭に面して、エントランスのオートロックのドアがある。しかし、部屋の窓のサッシと合わせるように正方形のカタチをしているので、オートロックのボタンがなければ、そこが入り口であることは気がつきにくい。ガチャンと鍵が開いた。この扉は開き戸ではなく回転扉であった。

【地下から天空へ】回転扉のオートロック自体が驚きであり、特別な空間に入り込んだ不思議の国のアリスのようなドキドキとワクワクがある。ドアをくぐると地下に降りていくスロープがあり、その先にエレベータがある。エレベータから最上階をめざす。機械仕掛けのドアが開くとそこは光の楽園であった。

【光が差し込むその先へ】暗い地下からいきなり明るい場所にきたので目が慣れるまでに時間がかかった。徐々に目が慣れてきて僕の目の前には、閑静な住宅街と緑のパノラマが広がっている。エレベータを降りて玄関ドアが見えてきた。玄関ドアの上部は、ガラスの庇がついており、光を透すが雨に濡れない。

【木の内部と外皮】玄関ドアをあけると、部屋の無垢のフローリングと、テラス・パティオの木製デッキのコラボレーションが美しい配色となっている。部屋は木の内部のようなナチュラル・カラー、外部のテラスとパティオは木の外皮のようなダークブラウン・カラー。両者が、段差なく自然に繋がっている。

【目の前に広がるGREENと触れることのできるMIDORI(その1)】部屋は南側の中庭に面して、大きな開口部を設けている。それは、太陽の光を取り込むだけでなく中庭の巨木のGREEN を部屋にいながら見ることができて、森の木陰で休んでいるような心地よさを感じることができるのが嬉しい。

【目の前に広がるGREENと触れることのできるMIDORI(その2)】部屋の中央に位置するパティオには小ぶりではあるが、この部屋を優しく見守ってくれるMIDORIがある。実際にその木に触れることによって、木の優しさであり温かみを感じることができる。都会人には忘れてしまった感覚だ。

【手作りを感じる浴室】玄関から入って右側に浴室、洗面、トイレがある。その空間は床と壁のタイル張りになっている。この部屋に流れる自然の温もりということを考えると、既製品のユニットバスではなく手作りのタイル張りの浴室がよく似合う。一枚一枚丹念にキレイに張られているので温かみを感じる。

【浮遊するガラスボックス】この部屋には特別な空間がある。それはガラスボックスである。本来であればバルコニーとなるところが、床と壁がガラスとなっている。誰もがまずその空間に入るのをためらう。ガラスの床があまりにも繊細で儚いのだ。その恐怖感を振り切ったときに心地よい浮遊感を得られる。

【パティオから屋上庭園へ(その1)】部屋の中心に鎮座するパティオはリビング・キッチン・ベッドルームと、すべての部屋からもガラス張りとなっており見ることができる。それは部屋の中心を意味している。そして、パティオには打ち放しコンクリートの階段が設けられており屋上を目指すことができる。

【パティオから屋上庭園へ(その2)】屋上への階段は急勾配だ。しかし、屋上庭園への期待から足早に登っていける。見晴らしは最高である。心地よい風が通り過ぎる。小鳥のさえずりが聞こえてくる。騒がしい下界の音はほとんど響かない。まさに屋上の庭園ならぬ楽園である。春には多くの花々が咲誇る。

【建築と自然、ときどき人間(その 1)】この物件の名前は、リフュージュ・オー・フォレスト。和訳すると森の中の隠れ家。人間は自然を破壊しながら、文明を築きあげてきた。しかし、自然界のバランスを壊すことは、自分たちの生命をも脅かすことに気付き、最近ではいたるところでエコが叫ばれている。

【建築と自然、ときどき人間(その 2)】私は思う。動物の住処が森の中の隠れ家であるように、もともと建築と自然は支え合って共存していたのだ。人間が建築と自然のバランスを崩壊に導いてきたのだ。それは人間の手では修復はできない。この建物のように自然が建築を包み込むのを待つしかない。(完)

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