G FLAT

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【謎が多い洗足駅ジーフラットは築3 年も経つが、いまだに根強い人気をがある。洗足駅から徒歩2分というのもの人気のある理由である。しかし洗足駅という名前は謎が多い。なぜならば地名は洗足ではなく千束だからだ。本当は「千束駅」になる予定が洗足池の伝説にちなんで「洗足駅」として開業した。

【まだまだある洗足駅トリビア東急目黒線の小さな駅であるが、いろいろとトリビアがあるようだ。調べてみると、皇太子と小和田雅子の結婚報道がされた時期、雅子の実家が当駅に近いことから、当駅の入場券が人気を博したり、路線は東急目黒線と名乗っているが、この駅のみが目黒区に所在するなど。

【ピロティは不朽のモダニズム言語】ジーフラットの外観は、どこかのオフィスのようなガラス張りが特徴的である。1階部分はピロティとして駐車場になっている。ピロティはル・コルビジュエが提唱したモダニズムの五原則のひとつである。それは、いつの時代になっても人を惹きつける魔力を持っている。

【中庭がピロティの大罪を中和する】ピロティにオートロックのドアがあり、そこから内部に入る。そこには中庭があり、太陽光が眩しく降り注いでいる。ピロティはモダニズムを発展させた反面、建築と大地を切り離した十字架を背負うことになった。しかし、中庭を配することで大地との融合を図っている。

【自由な立面が豊かに(その1)】近代建築の5原則のひとつに「自由な立面」がある。これは支柱が壁から独立することで建物の外観を構成する主要な立面を自由に設計することである。このジーフラットの外観も壁と支柱が分離しており、住宅でありながらオフィスビルのような様相を呈しているのである。

【自由な立面が豊かに(その2)】自由な立面を確保した近代建築は、自由と引き換えに人間的な豊かさを失った。例えばオフィスビルは冷たい箱のようだ。しかし、ジーフラットは違う。住民がガラスに数式を書いてみたりポスターを外に向けて張っている。住民の個性が自由の平面に人間性を取り戻させた。

【魅惑のエレベータ】ジーフラットは4 階建てではあるちゃんとエレベータが設置してある。最近は4階建てでもエレベータがない物件も多い。将来的な事を考えるとエレベータは付けておいたほうがいい。ジーフラットのエレベータは内部が雰囲気が落ち着いたバーの入り口のようなアダルトな雰囲気がある。

【こんなレバーハンドルは見たことがない】エレベータで4階につくと。そのすぐ脇が部屋である。部屋の玄関ドアは床から天井までの大きなドアである。そして、そのドアのレバーハンドルが今まで見たことがないようなカタチだ。ドアの真ん中にハンドルがUの字にようになっていて、意外にも握りやすい。

【トリッキーなブロック壁】玄関ドアを開けるとそこにはブロックの壁が現れる。ブロックの壁づたいに左側にいくと靴脱ぎの見切りがある。玄関が長い廊下のようになっている。ブロックの荒々しさが構造の鉄骨と窓ガラスのツルツルとした素材感とは真逆でトリッキーな印象を受けるが、意外にも悪くない。

【自由すぎる平面に戸惑いを感じながらも(その1)】玄関の長廊下を抜けると、そこには大きな部屋がひろがる。何もない。キッチンが置いてあるだけで何もない。それが第一印象だ。天井が高く、壁はガラス張り、独立の丸柱が立っている。この自由すぎる平面に最初は誰もが戸惑いを隠すことはできない。

【自由すぎる平面に戸惑いを感じながらも(その2)】近代建築の5原則にも「自由な平面」という項目がある。これは、建築構造が発達し、既存の様式を打破するために新しい平面プランが考え出された。このジーフラットは、平面プランが無いのである。しかし、仕掛けがあることを見過ごしてはいけない。

【自由すぎる平面に戸惑いを感じながらも(その3)】その仕掛けとは、天井と床にレールが用意されており、そのレールに可動間仕切りが標準装備されている。建築家が新しい平面プランを提案することに限界がきている。これからの平面プランは、住む人がそれぞれの思いを込めて作り出すことなのである。

【空中パティオで季節を感じる(その 1)】この部屋には、キッチン付きのリビングとベッドルームの構成となっている。その二つの部屋を繋ぐのがパティオである。パティオとはスペイン語で中庭のことである。ここは中庭でありながら廊下ともなっている。内部でありながら外部という不思議な構成である。

【空中パティオで季節を感じる(その 2)】近代建築の5原則に「屋上庭園」がある。今までは屋根として機能していた屋上を緑に開放しようとする試みである。それは恒常的な内部に対して季節の移り変わりを感じる外部を目に見えるカタチで表している。パティオも実は季節を感じる装置としても機能する。

【壁が窓よりも魅力を感じる】当然ながら、近代建築の5原則の最後のひとつ「連続する水平窓」も当てはまる。しかし連続する水平窓というよりは、さらに極端になり全て壁が窓で構成されているように見えてくる。面白いことに壁となっている部分の方が建物の魅力があるように感じ始めるてくるのである。

【住居専用として住まう】ジーフラットには、あらゆる住み方を受け入れてくれる。住居専用として建てられているので設備は充実している。問題は、ガラス張りの空間であるから外部とどのように繋がっていくのかということに配慮したい。完全に閉じるのではなく植物で間仕切りするのがECOスタイルだ。

【SOHOとして住まう】外観を見ても分かるように、SOHOとして使用している部屋も多い。SOHOとして重要なことは、企業として自己主張をしていくことである。ガラス張り、大空間、無装飾というように、まっさらなジーフラットの空間には企業の個性を思う存分表現するフィールドとなっている。

【住居兼事務所として住まう】最後の住まうスタイルとして職住兼用である。公私をコントロールするのは難しい。しかし、ジーフラットではパティオという半外部を入れることにより、うまくコントロールできるではないかと期待する。それが遥か太古から受け継がれたパティオが持つ力であると思う。(完)

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