カラム

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【今でも活気溢れる横山町・馬喰町問屋街(その1)】カラムは都営浅草線「東日本橋」駅から徒歩2分のところにある。この周辺は東京の中心、中央区千代田区に及ぶ巨大な問屋街となっており、江戸通り清洲橋通り靖国通りの大通りに囲まれており日本最大の現金卸問屋街として世界的に有名である。

【今でも活気溢れる横山町・馬喰町問屋街(その2)】全国からの仕入れ客で今でも変わらず賑やかな町である。約1500の商社や店舗が軒を並べ、特に衣料・繊維品・服飾品なら、ないものはない。各店が競争しつつ、足りない点を補い、流行に敏感に、独自の工夫を凝らして賑やかな街づくりをしている。

【今でも活気溢れる横山町・馬喰町問屋街(その3)】基本的に昔からやっている問屋は、個人への小売はしないのがルールだったが、流通ルートの中抜きも常態化している近年ではそうでもなくなっている。逆に小売をしない店は、店先にその旨を明示しているケースが目立つが、年々少数派となりつつある。

【変形三角敷地に継承された外観(その1)】カラムの敷地は、三角形だ。以前は1930年に竣工した「第1コスガビル(旧両国ビルヂング)」が建っていた。この建物の建て替えの話が浮上した時に地元の問屋街の人たちは由緒ある建物を何とか残したいと考え、地元の力が大手ディベロッパーを動かした。

【変形三角形に継承された外観(その2)】昭和のイズムをイメージとして継承して、新しくカラムとして生まれ変わったのだ。5階までは既存の建物のイメージを活かしてベージュのタイルを用いて、ハリボテにならないように現代のデザインに置換することによって、新しい問屋街のシンボルとなっている。

【緑タイルの鮮やかなエントランスドア(その1)】1階には、婦人服店舗が入っている。また、機械式の駐車場のターンテーブルも設置してある。さらに住居専用の共用エントランスのオートロックドアがある。三角形の変形敷地でこれだけの要素が入っていると、一番の犠牲となるのは共用エントランスだ。

【緑タイルの鮮やかなエントランスドア(その2)】しかし、その狭いエントランス部分に緑タイルを用いることでオリジナリティを出している。通常のエントランスは、白を基調にすることが多いが、その定石を裏切って緑という難しい色に挑戦することによって、ここがエントランスであることを強調する。

【中廊下に浮かび上がるナンバー】エントランスホールからエレベータで7階まで上がる。三角形の敷地と大通りに囲まれるために景観を壊さない為にも、外廊下はできず必然的に中廊下になる。中廊下の弱点は暗さにある。しかし、その暗さを活かして部屋のナンバーをバックライトで浮かび上がらしている。

【都心で40m2という魔力(その1)】三角形の敷地で狭い上に、さらに一部屋が40m2確保されているというゆったりした設計であるので、ワンフロアには5 部屋しかない。実は事業的には小規模サイズ(25〜30m2)の方が運営しやすいのであるが、地域的な条例で40m2ということに決まった。

【都心で40m2という魔力(その2)】都心のマンションは、その事業的採算性から20〜25m2で作られることが多い。しかし、都心で働くニューリッチな人たち(年収800万円以上)にとって、25m2では小さすぎて、50m2では大きすぎると感じており、実は40m2はジャストサイズなのだ。

【部屋の間取りは大きく分けて2つ(その1)】部屋の間取りは、ワンルームがあったり、メゾネットがあったり、床がタイルカーペットになっていたり、床がフローリングになっていたりと様々なパターンがあるが、大きくて分けて考えてみると2つに分けることができる。それは、キッチンの位置で決まる。

【部屋の間取りは大きく分けて2つ(その2)】生活するために必要となるのが水周りである。トイレやバスはサブ空間となるが、キッチンはメイン空間とリンクされている。キッチンは生活という視点で考えた時に間取りに影響を与える。センターキッチンかサイドキッチンかによって、生活の意味が変わる。

【アクティブスタイルにはセンターキッチン(その1)】カラムの間取りのなかで一番多いのがセンターキッチンの間取りである。部屋の中心にキッチンが鎮座している。どこからでもキッチンを見ることができる。キッチンを生活の中心として捉えることが必要である。新しい自分が発見できるかもしれない。

【アクティブスタイルにはセンターキッチン(その2)】最近はお弁当男子が流行っている。彼らは単にお弁当を作っているのではなく、お惣菜の材料を買いに行くというアクティブな行動を生み出しているのである。キッチンでの作業は、キッチンだけでは完結しない。それは外部へと繋がっていくのである。

ワーカホリックにはサイドキッチン(その1)】仕事はストレスが溜まるものである。それを解放するために都心よりも郊外に住みたいというのが一昔前の考え方であった。しかし、ワーカホリック(仕事中毒)は休みも仕事のことを考えていたい。だから、都心に住んでその神経を研ぎ澄ましたいと考える。

ワーカホリックにはサイドキッチン(その2)】ワーカホリックは住まいに対して寝に帰る場所と位置づけている。それは、動物的な感覚に近い。食事は外で済ますか、出来上がったものを買ってくる。彼らにとってキッチンは脇役。主役はベッドである。だから、寝室はできるだけ広いほうが好きのである。

【街並みと絡むということ(その1)】デザイナーズ物件の最大の強みは、他のマンションと見た目が個性的で街並みからも目立つ存在であるということである。しかし、目立つことでしか表現できないのであれば、その建物に未来はないだろう。なぜならば次々と新しい目立つ建物が作られているからである。

【街並みと絡むということ(その2)】街並みから目立つのではなく、街並みに溶け込みながら、個性を発揮させる方法もある。それは街並みに対して敬意を表する姿勢が必要で、時には建築家の個性を抑えなくてはいけない。それができた時に、街並みと絡む(カラム)個性的な建物ができるのである。(完)

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